1. HOME
  2. Telapak: Telapakはコミュニティーロギングによって持続性を創り出す

グローバル・リーダーシップ・プログラム

201701/21(Sat)
グローバル・リーダーシップ・プログラム インタビュー記事

Telapak: Telapakはコミュニティーロギングによって持続性を創り出す

WRITER

仁科慎也
山田悠策
Nurwantini
My interest to Telapak has started 3 years ago. Meeting one of the leaders of the organization was one of the reasons why I choose Social Development and Welfare as my Master Study Program. It is amazing to know that one organization has a really good concept of business, community empowerment, and at the same time saving the earth from deforestation. It was an awesome experience for being able to meet my influencers and learn a lot more from them.

アジア最大規模の低地熱帯雨林を有するインドネシアにおいて、年間約121万haもの森林が失われている。インドネシアの国土の約50%にあたる9443万haが森林におおわれていると言うとたいしたことのないように感じるが、日本の森林が約2500万haであることを考えると、約二十年後には日本にあるすべての森林分がインドネシアで失われる計算になる。いったいどうしてこんなに多くもの森林がなくなっているのか。森林火災、皆伐、いろいろな理由が考えられるが原因のひとつに違法伐採が挙げられる。インドネシアでは伐採木材の約73%が違法伐採と推定されている。裕福な人々が企業に出資し、その企業が住民を巻き込んで違法伐採を行う。違法な伐採は一回限りの皆伐に終始することが多く、持続的な森林調達にならないため、森林減少を引き起こしてしまうのだ。違法伐採の取り締まりには様々な団体が取り組んでいる。FSC認証やPEFC認証という言葉を聞いた、あるいはマークを見たことがある人は多いのではないだろうか。これらは第三者によって合法的に伐採されたものであると証明されたものに与えられる。この団体とは別で、少しユニークな観点からこの問題を解決しようとしている団体がある。ビジネスを通じて社会問題を解決しようとするTelapakという団体だ。
Telapakは1995年ごろから、インドネシアの森林減少の実態を調査、メディアを通じた告知、政府への提言やキャンペーンなどの活動を開始した組織である。現在農家や法律家、団体のリーダーなど、様々な300のメンバーがインドネシアの19の拠点で活動している。2002年ごろから新たな事業をはじめ、違法伐採に独自の方法で取り組んでいる。それがcommunity logging と呼ばれるものである。Community loggingを紹介する前に社会企業について軽く触れたいと思う。社会企業は社会の問題をボランティアなどとは違った形でビジネスを通じて行われるものである。ビジネスである利点は、そのビジネスで生み出す利益によって持続的な活動ができることだ。もちろんうまく事業を回せなければ社会問題の解決に至らないため、普通の企業を経営する以上に難しい。しかし、世界には多くの社会企業が存在し、Telapakも持続可能な森林開発を、ビジネスを通じて解決しようとする社会企業の一つであると言える。以下にその詳細を記したい。
まず、持続可能でない違法な森林伐採が行われる現状を説明する。違法伐採は富裕層の出資する企業が皆伐を行うことに起因する。皆伐の目的の一つはパーム油となるアブラヤシや紙パルプの原料となるアカシアのプランテーション、また安価な木材供給である。森林に変わってアブラヤシやアカシアが植えられるプランテーションには、近くに加工工場を必要とするためさらに森林が失われてしまう。さらに賃金の安い外国人労働者などを雇うことによってそこに居住していた住民を追い出すことになってしまう。違法伐採に住民が雇われる場合でも、安い賃金にも関わらず、ほかに選択肢がないため違法伐採を選ばざるを得ない。少ない収入しか得られないのに、ほかに選択肢がないために違法伐採を選んでしまう。これらの持続可能でない森林伐採では、住民が不利になってしまうのだ。

Telapakが行うビジネスでは、住民が不利にならず十分な収入を得られ、かつ持続的な森林開発を行うことができる点にある。住民たちは自ら持つ土地をほかの住民と協力して森林の伐採、植林を行う。その後、彼らは伐採した木を自分で出資した工場に売る。もちろんすべてが住民の出資によって成り立つ工場ではなく、資本を持ったお金持ちも出資し、さらにはTelapak も出資する。つまり、3者によって所有された企業が住民のとってきた木を買い取り、加工する。住民は合法的な伐採をすることでFSC認証を得られ、違法伐採よりも高い値段で売ることができる。また、配当を受け取ることができるため、違法伐採よりも収入が増え、違法伐採を行うインセンティブがなくなる。また、この事業で持続的に利益を得るためには、住民が持続的な森林開発を選ぶ必要がある。利益享受者を住民にすることで、持続可能な森林開発を実現するこのビジネスの仕組みこそ、まさに社会問題を解決する社会企業としての姿といえる。


Telapakやそれに関連した、アプリを通して植林の手助けができるpohonkuという事業でも活躍するSilverius Oscar Unggul氏はcommunity loggingで重要なことに協力という言葉を挙げた。地元の人は、なかなかこちらのビジネスを受け入れてくれない。そんな時彼らと一緒に森林に入り、話し、聞いてもらい、community loggingの利点を説くそうだ。If there are no duit, don’t do it. duitはインドネシア語でお金を意味し、「お金がないなら何もするな」ということわざだと教えてくれた上で、Unggul氏はIf thre are no duit, just do it.と笑顔で冗談を言ってくれた。お金がないならただやるだけだ。このビジネスは社会問題を一方的に解決するためのものでなく、地元民と協力して持続的な森林調達を目指そうとする、とても前向きな社会事業であることも忘れてはいけない。

参考資料
「インドネシア共和国|世界の森林と保全方法|フォレスト パートナーシップ プラットフォーム」
http://www.env.go.jp/nature/shinrin/fpp/worldforest/index4-2.html(2016/08/24アクセス)

「違法伐採とその対策―森林・林業学習館」
http://www.shinrin-ringyou.com/forest_world/ihou.php(2016/08/24アクセス)

「インドネシア共和国」
http://www.jofca.or.jp/_files/publication/A04.pdf(2016/08/24アクセス)

「国民経済及び森林資源(林野庁)」
http://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/toukei/pdf/yoran1501.pdf(2016/08/24アクセス)

取材先企業

企業名
Telapak
URL
一覧に戻る

PAGETOP