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グローバル・リーダーシップ・プログラム

201701/27(Fri)
グローバル・リーダーシップ・プログラム インタビュー記事

Greeneration Indonesia: 新興国インドネシアが抱えるごみ問題

WRITER

鳥海花菜
Johanes Kristianto
西山恭平

まずは下の写真をご覧ください。少年が視線を向ける先のあたり一面をごみが覆っています。こちらの川はジャワ島を流れるチタルム川と呼ばれる川で世界で最も汚い川の一つに認定されています。この川には近くの工場の産業排水や人々の生活排水、そして人々が投棄したごみなどが含まれております。近年のインドネシアは経済発展が進む一方、下のチタルム川の写真が示すようにごみ問題がインドネシア国内において深刻な問題になっています。インドネシアの首都ジャカルタでは毎日約6,270トンのごみが生み出され、これらのごみの19%しか分別されず、74%は分別されません。これはごみが徹底的に分別される日本とは大きく異なります。またインドネシアではごみを処理する施設が少ないため、ごみのほとんどは川や海に投棄されます。このような状況が作り出された原因の一つとしてインドネシアの人々にごみに対する適切な処理方法や管理方法を今まで教育してこなかったことが挙げられます。私たちが今回取材をしたGreenerationはインドネシアのこのような深刻なごみ問題に問題意識を持ち、2005年にインドネシアのバンドンで設立されました。彼らは人々のごみ問題に対する意識を変え、人間と環境が共存できる場を作り出すことを目指しております。それでは次にGreenerationが行っている具体的な取り組みについて見ていきます。

http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-10-ac/sakura_kituneo/folder/1510806/60/62023160/img_2?1342965732

Greenerationの取り組み

Greenerationは主に3つの事業に取り組んでいます。
1. Petualangan Banyu
2. Diet Kantong Plastik
3. Waste4Change
それぞれ3つの取り組みについて説明していきたいと思います。

1. Petualangan Banyu

Banyuは環境問題を子供たちに考えてもらうために制作されたアニメーションでこの事業では子供たちが環境問題に対して関心を持ってもらえるようアニメーションを制作しています。制作されたアニメーションはYoutubeなどの動画サイトや一部の小学校では教材として使用され、子供たちはこのアニメーションを見た後、議論などを通じ、環境問題に対して知識・理解を深めることができます。

http://petualanganbanyu.com/wp-content/uploads/2015/03/cover-elektra.jpg

2. Diet Kantong Plastic

世界の海洋のごみの約90%をビニール袋が占めます。ビニール袋は自然分解するには100年以上の期間が必要であり、また燃やすと有害なガスが排出されるなど環境に大きく悪影響を及ぼします。そのビニール袋を年間にインドネシア人は一人あたり700袋使用し、そのビニール袋の投棄はインドネシアではゴミ問題の中でも特に深刻な問題になっております。この現状を変え、人々のビニール袋の使用を控えさせるためにGreenerationではDiet Kantong Plasticという事業に取り組んでいます。ここでは取り組みを二つ紹介します。一つは環境・社会事業としてbaGoes(インドネシア語で”good”という意味と英語で”bag for good”持ち運びやすいという2つの意味を持つ)を立ち上げ、人々にエコバックを浸透させる中でビニール袋の使用を減らす取り組みを行っています。またもう一つは社会運動として環境問題に興味・関心がある若者を中心に彼らがエコバックをかぶり、ビニール袋の使用を控えるよう訴えかけるイベント”Head Bag Mob”を2008年以来、定期的にインドネシアの主要都市で開催しています。下の写真はその運動の写真になります。

http://benihbunga.net/wp-content/uploads/2014/12/download-2.jpg

3. Waste4Change

Waste4Changeはインドネシアでの廃棄物をゼロにするという目的のもと設立されました。この事業は主に二つの活動に取り組んでいます。一つ目はリサイクル事業です。最初に廃棄物は有機物、無機物、その他の3つに分けられ、毎日職員が家庭や企業などからごみを回収します。回収されたごみはWaste4Changeが所有するごみ分別場でさらに細かく分別された後、プラスチックは専用の機械で粉々に砕かれ、ペットボトルなどに再利用され、有機物は農業用の肥料に再利用されます。この事業はインドネシアの全体の廃棄物の5%以下しかリサイクルの過程に入らないという現状を補う機能を果たしています。二つ目はコンサルタント事業です。例えば多くの企業や学校は廃棄物管理の知識が乏しいため廃棄物管理を適切に行うことができません。そこで廃棄物管理に関する知識を豊富に持つWaste4Changeはそれぞれの依頼人が抱える課題に対して解決策を提示します。この事業を通じて社会全体として廃棄物処理に関する費用が削減されるだけではなく、廃棄物が減少し、公衆衛生の改善にも役立てることができます。Waste4Changeはこのように直接廃棄物に関わることでインドネシアが抱える深刻なごみ問題の解決の糸口を探っているのです。

結論

インドネシアは近年、年率GDP成長率は約4~6%の間を行き来し、今後もこの推移にあまり変化は見られず、ますます経済発展することが予想されます。国家が経済発展する中で問題になるのはやはり環境問題の悪化です。特にインドネシアでは環境問題の内、ごみ問題が深刻です。インドネシアは経済発展とごみ問題の改善を両立することができるのでしょうか。現在、インドネシアのごみ問題を見る限りではこの二つを両立しているとは到底思えません。しかし近年ではGreenerationの取り組みもあり、人々だけではなくインドネシア政府も変わろうとしています。具体的には政府は2016年から商品購入時のビニール袋(2016年以前は無料であった)の使用を有料にしました。これによって人々のビニール袋の使用が少しでも減ることが期待できます。このように少しずつインドネシアは変わりつつありますがGreenerationの取り組みだけではこの深刻な問題を解決することはできません。インドネシア人一人一人、特にこれからのインドネシアの将来を担う若い世代が中心となって深刻なごみ問題に関心を持ち、解決するために行動することが重要なのではないでしょうか。そのきっかけづくりとしてGreenerationの果たす社会的役割は非常に大きいと取材を通じて感じました。

取材先企業

企業名
Greeneration Foundation
URL

ドキュメンタリー/Documentary "Greeneration Indonesia" 1

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