第5回Gakuvo Style Fund活動報告

ことばのみちかけ

テーマ・コンセプト
現代の生きる力である「発信力」を体得する学び舎、を地方の高校生に提供!
普段の活動
地域の高校生と一緒にフリーマガジン制作をしたり、大人と出会う取材を通じたキャリア教育などを行なっています。

山形へ

第2回ことばのみちかけ開催候補地である山形県にいってきました。

 

訪れたのは9月の下旬。

山形市内の歩道にはたくさんの金木犀。秋のかおりが漂っていました。

そんな中宿泊したのは市内ではなく、バスを何度も乗り継いだ先にある大蔵村。大蔵村にあるカルデラにひっそり軒を連ねる肘折温泉で一泊しました。

 

肘折の温泉街では毎年「ひじおりの灯」という展示会が行われています。

温泉街で展示会?と思われる方もいらっしゃると思いますが、展示されているのは写真にもあるこちら。「灯篭」です。

こちらの灯篭は東北芸術工科大学の学生さんと卒業生の方が肘折で歴史や昔話、宿についてなどを“聞き書き”取材し、それをもとに制作されたものです。

八角形の灯篭をぐるりと一周するように描かれた絵は、まるで絵巻物のよう。それぞれの軒先で明かりと一緒にえもいわれぬ存在感を放っていました。

 

私たちが制作するフリーペーパーに掲載している記事も、この灯篭と同じように聞き書き取材をもとにしたものです。

聞き書き記事は通常のインタビュー記事とは違い、話し手が発した言葉のみで構成されます。そのため、編集者の都合に合わせて言葉を書き換える、端折るということをあまりしません。

そんな聞き書き取材では、インターネットに溢れている便利の良い記事(例えば、著名人が考える『人生とは』『仕事とは』を即座に理解できるようなまとまりきった記事)は作れない。でも、遠回りしたことで生まれた文章中の余白や間が、話し手の言葉ひとつひとつを考えるきっかけを与えてくれる、そんな良さがあると思います。

 

ですが、スピード感重視の現代です。

情報が次から次へと更新されていくタイムラインに、私たちは指先で必死にしがみついています。

そんな世の中に逆らうように佇む聞き書きはこれからどう歩んでいくのだろう。フリーペーパーという形に落とし込む際に深く悩みましたが、この灯篭に一つの答えをもらった気がします。

 

温泉街で浴衣に身を包んだ人々が灯の前に立ちどまる。

灯篭の向こう側の光を見つめている。

 

形は違えど、私たちも同じようなものを作りたいと感じました。

 

 

ご厚意でひじおりの灯実行委員会の早坂さんにもお話を伺うことができ、予想以上に実りある視察となりました。ありがとうございました。

[UPDATE] 2018/12/21

ことばのみちかけ

「ことばをすくい、思いをつづり、光をかたちに」を合言葉に、ローカルを舞台に活動しています。取材や編集、紙媒体づくりが得意です。現在は「パブリッシュ・スタディ」(取材・編集・出版までを自ら体験してみることで、情報のインプット/アウトプット力を磨く)を東北の高校生と一緒に実験しています。

[UPDATE] 2018/07/29
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