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グローバル・リーダーシップ・プログラム

201609/30(Fri)
 

新しい挑戦即可能性の探求

「若い今だからこそ、可能な限り新しいことに挑戦して、より良い自分像を探求してほしい」これは、インドネシアを発つ直前に、ある参加者がくれた手紙に記されていた言葉である。インドネシアでの2週間は、まさにこの言葉の通り、新しいことへの挑戦の連続であり、それゆえに人として大きく成長し、視野を広げられた2週間であった。私は本プログラム開始時に次の3つの目標を立てた。第1に、現在興味を持っている平和教育の分野での知識や経験を深め、将来の夢を具体化することである。第2に、人前で自分の意見を話す時に緊張してしまい、思うように話せないという弱点を乗り越えることである。第3に、現在大学のオナーズプログラムで鍛えている、「全く異なる文化やバックグラウンドを持った人々と協働する力」を実際に使い、今後のモチベーションにしていくことである。本プログラムの活動に精一杯取り組み、刺激的な毎日を送るなかで、今までの自分にはなかった考え方が生まれた。よって本レポートでは、第1、第2、第3の目標に対する自分の変化について、経験と感情に着目して考察していく。
第1の将来の夢を具体化するという目標に対しては、主に環境ワークショップを通して教育の重要性を感じ、やはり教育の分野で貢献したいとの決意が固まった。それと同時に、他の参加者のバックグラウンドを知るなかで、今自分がやるべきことは進路を一つに絞ることではなく、あらゆる可能性に挑戦していくことであるという考えに至った。環境ワークショップ初日、チョデ川沿いの寺子屋の子どもたちに「綺麗な川ってどんな川だと思う?」と尋ね、絵を描いてもらった。そして、その絵に大きな衝撃を受けた。子どもたちが川の周りに描いたものは植物や生物ではなく、捨てられたゴミだったのである。ふと横を流れチョデ川を見て、彼らが知っている川には常にゴミがあるのだということに気が付いた。彼らの中には、出生の届け出がされておらず、初等教育すら受けられない子どももいるといい、日本の義務教育で学ぶ「自然環境」という概念や、ゴミの分別の必要性等を学ぶ機会すらないこともあることを知った。環境や貧困など様々な問題があるが、改めて教育の量と質によって根本的に問題の深刻度が大きく左右されるということ、また教育がいかに重要かということを身に染みて感じた。また、本プログラムの参加者には、大学や大学院卒業後の進路を模索しつつ、ボランティアや国際交流、国際会議などあらゆることに挑戦している人が多くいた。常に何かを学び取り、最終的に自分に一番合った進路や本当にやりたいことを見つける姿がとても輝いており、進路を一つに決めることだけを考えていた自分の視野の狭さを思い知った。そして、今自分の可能性を見つけるために様々なことに挑戦するからこそ、学生時代に得るものは大きく、いつかその経験が繋がって線になっていくのだと感じた。平和教育に関わりたいという熱意を軸に、今しかできないことに恐れず挑戦し、失敗からも成功からも何かを学んで次に生かす、「自分探し」の大学生活にしていきたい。
パブリックスピーキングに関しては、毎日のディスカッションや課題に対する自己評価の共有等を通し、人前で自分の意見を述べることに対する抵抗感が無くなった。プログラム開始時は、自己紹介から意見表明まで全てにおいて緊張し、自分の番が回ってくる度に、友達から「手が震えているけど大丈夫?」と指摘されるほど頭が真っ白になっていた。しかし、他の参加者が堂々と分かりやすく思っていることを述べ、周りを笑顔にするほどユーモアたっぷりに、楽しそうに話す姿を見て、私もこの2週間でまずは話すことを楽しめるようになりたい、と強く思うようになった。最も話すことを楽しむ勇気をくれたのは、本プログラムの参加者且つコーディネーターであるヨアナさんの体験談である。緊張して上手く話せないことで悩んでいた私は、いつも明朗快活で分かりやすく堂々と話す彼女に相談をした。すると驚くことに、彼女も以前は同じ悩みを抱えていたという。彼女は、「私達がどのように話そうと、聞く人は結局私たちの話を評価するんだよ。だから、せっかく話すなら堂々と楽しんで話すべきだよ」とアドバイスをくれた。話すことに対する苦手意識をなくし、楽しもうと意識するだけで、話やすさは変わるものである。プログラム最終日には、「日を追うごとに人前で堂々と話すようになっていく姿を間近でみて、とても感激した」と言ってくれる参加者もいた。苦手を乗り越え、私もいつか同じように悩む人に勇気を与えられるように、挑戦を続けていきたい。
また、自分のなかで最も刺激的で良い影響を受けたのは、ムスリムやクリスチャン、仏教徒が一つ屋根の下で兄弟姉妹のように生活をともにするなかで、他の宗教に対するステレオタイプが取り払われ、宗教が違えども共通するものを見つけられた点である。インドネシアに到着するまでは、ムスリムではない自分を果たして受け入れてもらえるのだろうかと不安に思っていた。しかし、実際に会って話してみると、インドネシアの人々は他の宗教に対して非常に寛容であり、異なる文化を積極的に知って受け入れようとするため、もはや同じ文化の人と関わるときよりも壁を感じないほどであった。さらに、宗教ワークショップのときに、とても興味深い話を聞いた。インドネシアのクリスチャンとムスリムはお互いに守りあっているというのである。例えば、クリスチャンがクリスマスなどに大勢で集会を開くときに、その建物の周りをムスリムが囲み、クリスチャンの会合で他の宗教の人がテロを起こさないよう、監視して守っているという。逆に、ムスリムが集まるときはクリスチャンが守る、というように、お互いに守りあうことで、自分たちが他の宗教に寛容であることを示し合い、調和を保っているそうである。また、ムスリムの参加者は、「ムスリムにも色々な人がいるから、悲しい事件ばかりが報道されることも多いけれど、私の姿や行動から、少しでもイスラームの良さを感じてもらえたら嬉しい」とも言っていた。一緒に生活をする中で気づいたことは、どの宗教の人も、自分自身が幸福になり、周りの人も幸福にしていくために信仰をしているということである。それぞれの宗教で方法は異なるが、根本的な部分が一緒であることに意識を向けて関わることで、壁が無くなっていくのだと実感し、感激で胸がいっぱいになった。
以上述べてきたように、このプログラムでの経験はとても刺激的で、今までになかった考え方と成長のチャンスを与えてくれた。改めてまとめると次の通りである。第1の目標に対しては、改めて教育の重要さを実感するとともに、あらゆることに挑戦して自分の可能性を探る必要性を学んだ。第2の目標に対しては、苦手なことでも楽しむ努力をして経験を重ねることで、苦手意識を克服し、いつか同じことで悩んでいる人の希望となれることを知った。第3の目標に対しては、異文化・異宗教間であれ、信仰の目的のコアの部分など共通点に目を向けることで、一人の人間として深い友情を築けることを実感した。日本に帰国して3週間が経つが、このプログラムで経験したこと全てが勉強の糧になっている。これからも、ここで出会った参加者と互いを触発しあい、それぞれの夢の実現に向けて励ましあいながら、真に平和に貢献できる力と人間性を鍛えていきたい。

(山口有紗 創価大学法学部1年)

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