学生ボランティア派遣 Student volunteer dispatch

チームながぐつプロジェクト第200陣 福島県いわき市行き 活動報告

期間:2019年9月27日(金)~9月29日(日)

場所:福島県いわき市

活動内容

1 日目: オリエンテーション~高速バスでいわきへ(車内で夕食)~ミーティング~就寝

2 日目: 朝食~長源寺〜いわきオリーブハウス(昼食)~入浴~夕食~振り返り~就寝

3 日目: 清掃+朝食~富岡町楢葉町視察~浜風きららにて昼食〜高木さんのお話~3日間振り返り~宿泊先清掃~松崎さんのお話〜高速バスで東京へ(車内で夕食)~東京駅にて解散。

 

太文字部分は、参加者が日程終了時に書いている報告書の中から抜粋したものです。
掲載した文章は全文でないため、ご本人の意図と若干異なる場合がございます。ご了承ください。

 

9 月 27 日(金)[1日目]

オリエンテーション後、高速バスでいわきへ。

 

到着後のミーティングでは次の日のスケジュールを確認した後、全員で自己紹介をしました。一人一人が参加の動機に始まり、それぞれの異なる関心についてその背景を質問などで突っ込みながら進めて、盛り上がって話し込みました。役割分担を決めて、その後チームのコンセプトを話し合い『人と学んで人から学ぼう』と定めました。

初めてみんなと出会って活動が始まって先が不安でいっぱいだったけど、夜のミーティングで一人一人が自分の考えを赤裸々に話してくれたから自分も考えが言いやすかったしお互いに思ってる事をちゃんと言える関係になれると思って安心しました。

 

9月 28 日(土)[2日目]

朝食後、長源寺へ。
副住職の栗山さんから、ちょうど今、千葉の災害(※台風15号)の支援をしているという話から始まり、震災当時のご自身やご家族の様子から支援Pを通じてボランティアセンターや避難所での活動に関わるようになった経緯、いわき市での双葉郡からの避難者との軋轢などについて伺いました。

その後、震災当時の寒い避難所での動けない苦しみやプライバシーのない空間での苦痛を体験する坐禅を行いました。

栗山さんなどがおっしゃっていた補助金による住民間でのあつれきや栗山さんの友人が体験した心ない風評被害、原発事故の収束、今後の災害に向けた防災・減災の取り組みなどどれにおいても、一人一人が「自分事」として捉え、正確な情報を得ることを心がけ、行動していけば、状況は好転すると確信しました。

震災から9年、また東京電力からの補助金額がピークを迎えた平成二十七年からも4年が経過しているにも関わらず、双葉8町村から避難してきた住民と地元住民との関係が一向に改善されていない現状に疑問を抱いた。同時に、数値的で機械的な時間の経過では測れないほど補償金に関する問題はセンシティブなものであるということを理解することができた。

体だけでなく心まで原発が蝕んだと思うと悔しいです。こういった心の問題の解決は、復興を考える中で街を再建するよりも重要で困難な課題だと思います。今後ボランティア活動する中で、コミュニティにも着眼点を置き、解決をサポートすると共に周りに発信して認知を広めたいです。

栗山さんの話では、とても細かく当時の様子を知ることができました。(中略)特に私は被災者の方々にどう寄りそうかが大切だと思いました。傾聴というものを知り、話したくない人もいるが、話して楽になる人もいたり、そこから違う周囲の方々の気持ちが分かることもあるんだなと知り、とても大切なことだと分かりました。

一番聞いて驚いたのが子どもが他の子どもに放射線がうつるからといっていじめにあっていたというお話です。これは、子どもに正しい知識がなかった事で始まったいじめだと思うので大人が自分で状況を理解して子どもに伝えていくことが大事だと思いました。そういう意味でボランティア活動は大切だし、メディアによってあやまった情報を鵜呑みにしないためにも大事なことだと思いました。

 

オリーブハウスに移動し長靴にはき替えて作業に着手しました。

まずは木田さんからオリーブプロジェクトのお話を聞いて、苗周りの草取りや次週のオリーブの収穫祭に向けてハウス内外の片付けや草刈りを行いました。

オリーブハウスでの作業でいつの間にか役割分担がちゃんと出来ていたし、仲間がしてくれた事に対して「ありがとう。」と言える関係になっていて1日でこんなにも距離をちぢめる事ができて良かったしこの陣で良かったと思える日でした。

オリーブの実を味わわせていただきました。

お弁当の他にオリーブパスタを準備していただき、オリーブミントティーと合わせて楽しみました。

ランチタイムや休憩時間にはお二人の松崎さんや木田さんとお話をしつつ、夕方まで作業を行いました。

松崎さんや木田さんも今後の日本や世界を危惧して私たち若者がどうしていくかが大事だということをおっしゃっていましたが、今回の経験も今後の糧にして社会をよくするために人を巻きこむ知識、スキルをたくわえていきたいと思いを新たにしました。

私が1番印象に残ったのは、「風評被害は減ってきている。忘れられるのが悪いことだけではない。」という言葉です。被災地を忘れないという考えが多い中で、これこそ現地に足を運ばないと聞くことができない言葉だと思います。被災地の生の声や現状だけでなく、それについてどう考えていくべきかも合わせて発信していく必要を感じました。

 

入浴・夕食の後、二つのグループに分かれて振り返りミーティングを行い、それぞれに感じたことを共有しました。昨日の自己紹介を丁寧にやったことで、様々な意見が深まりました。

グループごとに話した内容をさらに全員で話し合い、昨日定めたコンセプト『人と学んで人から学ぼう』についても、今日の達成度や課題を話し合うことができました。

翌日のスケジュールと合わせて、視察に備えて双葉郡の位置関係の確認、放射線の基準の話などを行い、ミーティングを終えて就寝しました。

 

9月29日(日)[3日目]

朝食・清掃のあと、地図を見ながら視察先について簡単に位置関係を確認し、富岡駅からタクシーに乗って視察に向かいました。

視察ルートは、富岡駅~津波被害の残る家〜国道6号線沿いの被災したまま放置されている店舗〜夜の森桜並木〜夜ノ森駅〜旧商店街〜リプルンふくしま〜セメント固形化処理施設~第二原発西門~天神岬公園〜ここなら~JAEA~オフサイトセンター~大久ふれあい館 という内容でした。

元福島第一原発で働いていたタクシー運転手さんのお話を聞きながら、浜風きららに到着しました。

視察で当時の状態のまま放置された建物を見て、そこで初めて津波の恐ろしさを肌で感じ、他人事として捉えてはいけず、これまでそう捉えてしまっていた自分を反省しました。

国道6号線に行き、「車での通過のみ可能の帰還困難区域」を見た時に「まだ除染は続いているのだ」と衝撃を受け日本とは思えない、そんな怖さを感じた。それと同時にこれはいつ終わるのかと考えると、福島の先の見えなさを感じた。どう処理するかも大切だが、起こさないために何をするべきか考えるのが重要だと思う。

運転手の方が私たちにもっと色々な所を見せたいし知ってもらいたいとおっしゃった時、言いづらい事もあるのに私たちを第1優先していてとても心優しい方だと思いました。

 

浜風きららにて昼食をとり、高木さんの震災当時の様子や復興に向けてのお話を聞くことができました。

2日目の栗山さんと3日目のタクシー運転手さん、高木さんの話の中で時々怒りをにじませながら当時のことや原発に対する思いを語る姿がとても印象的でした。この姿から、現地の方にとって震災は風化してしまったことでなくまだ続いている問題であることを再認識すると同時に、この話から得られたものや感じたことはメディアでは伝えきれないものだと感じました。

栗山さんも高木さんも共通して伝えてくれたのはメディアの情報に疑いを持ち続けることや実際に目で見て感じることの大切さだった。

(前略)2つ目の学びは、「浜風きらら」の代表である高木さんがおっしゃっていた、「学んだあとどう活かすかが大事で、生涯自分の意思を表現して人のつながりを広げていくことが社会をよくするために個人がすべきことだ」ということです。

高木さんは何度か、ボランティアを広めてね、若い人に関心を持ってもらってねと言っていました。ボランティアという協力がどれだけ救いになるのかが伝わってきました。

 

帰路の紅葉町公園に線量計があることも見ながら宿泊先へ戻り、振り返りミーティングを行いました。

その後、清掃と報告書の記入を終えて、いわき駅から高速バスに乗り、東京駅へ。

 

東京駅に到着し全員が報告書を提出し証明書を授与して解散しました。

私はこのプロジェクトを通じて考えたことや感じた事を自己完結させてしまうことのないよう、これからは自然災害の緊急期におけるボランティアにも参加してみるなど歩みを止めないようにしたい。

この3日間を通して、メディアの有り方、風評被害、心の格差、知識の大切さ等々、本当にたくさんのことを学びました。色々な方のお話をお聴きする中で、このことを風化させず、広めてほしいというメッセージを受け取ったと感じました。

私は今回の活動と館山市での経験を合わせて、学生の経済力や専門性では活動の幅に限度があると感じ、同時に無力感を覚えました。震災当時に被災地に行った方なら誰しも感じるものであるとは思うのですが、ここで支援をあきらめるのではなく、その無力感をどう乗り越えるのか、またはどう割り切っていくのか、私の今後の課題であると考えます。

津波の被害が大きかった地域ということで、色んな方の様々な思いや考えをうかがうことができました。その中でも私はメディアに関心があるので、「報道」に対する彼らの怒りや不満を感じる事が多かったです。(中略)将来的にその一員となろうとしている私にとってこれらの意見は貴重でした。事実を伝えることは、それを邪魔するものもあり、することで誰かを傷つけることもある、繊細で難しい問題です。いつでも相手の立場に立つことを忘れず、その上で、やはり偏見も嘘もない純粋な真実を人々に発信したいと思います。彼らの言葉を忘れず、平和な世界を目指すために、メディア界も変えていこうと思います。

 

いわきの皆さん、ありがとうございました。

200陣に参加してくださった学生の皆さん、引率の小寺さん、お疲れ様でした。