チームながぐつプロジェクト第96陣 福島県いわき市行き 活動報告
チームながぐつプロジェクト第96陣
期間:2014年8月27日~8月30日
場所:福島県いわき市
活動内容
・長源寺で座禅と栗山副住職の震災時の話
・富岡町と久ノ浜・浜風商店街を視察
・オリーププロジェクトにて作業補助
・薄磯の被災状況の視察と復興協議委員会と意見交換
【活動1日目(8月27日)】
日本財団にてオリエンテーションを済ませ、福島県いわき市へ。
いわき市に到着後すぐに、長源寺に向かいました。
長源寺では5時半から8時まで座禅および、栗山副住職からお話を伺いました。
「被災者から話を聞いて、被災状況を想像する・考えることが重要」
「自分ができる事は小さいと気付いても、それを我慢強くやってほしい」
などとアドバイスを受け、支援について考えさせられました。
座禅はボランティア活動の中で、最も辛い体験だったという学生もいましたが、
皆さん真面目に坐禅に取り組んでいました。
【活動2日目(8月28日)】
午前中は富岡町と浜風商店街を視察しました。
富岡町の惨状は、学生に大きなショックを与えたようでした。
「3年経っても復興していないことに驚いた。ショックだった。」
という感想が、夜の振り返りでも多く寄せられました。
今回は、進入禁止ギリギリの地点まで車で視察することが出来ました。
日本に立ち入り禁止の場所があることにも、衝撃を受けていました。
視察後は、浜風商店街にお邪魔し、昼食をいただきました。
商店街の元気なおばさまたちとお話をさせて頂きました。
「来てくれるだけで嬉しい」
その一言に救われる思いでした。
また、被災時の様子を撮影した写真も拝見することが出来ました。
午後はオリーププロジェクトのお手伝いをしました。
舟生さんから指導を受けながら、鉢植えの交換を行いました。
最初はなかなかうまくできなかった学生も、徐々に作業に慣れ上手に交換できるようになっていました。
【活動3日目(8月29日)】
朝から農作業のお手伝い「オリーププロジェクト」へ向かいました。
植木鉢の交換と設置、支え木の取り付け、植木の世相などを行いました。
天気が良く、ビニールハウスの中は熱くなりましたが、全員元気に取り組んでいました。
昨日と合わせて450本以上の苗木を移し替えました。
作業中、有賀さんから巨大シュークリームを差し入れして頂き、学生も元気をもらったようでした。
最後の夜は、3日間のボランティアを振り返ってディスカッションを行いました。
「自分がこれからやりたいと思ったこと、実際にできること」
について、3つのグループに分かれて話し合いました。
・情報を発信したい
・信頼できるウェブサイトを作りたい
・ボランティア企画を自分たちで作りたい
などの提案がありました。
【活動4日目(8月30日)】
いわき市の薄磯地区を訪れました。
薄磯復興協議委員会の鈴木さんに、薄磯を案内して頂きました。
半壊している学校の倉庫やアパートを視察し、その後、避難訓練も実施しました。
東北大学の杉安助教授にご指導の下、各自GPSをつけて、避難場所や移動距離などを計測してもらいました。
計測後は、避難方法や移動場所などについて、ご指導いただきました。
薄磯地区の復興に橋梁している東北大学の山田さんより
「どんな場所なら薄磯に住みたくなりますか?」
という議題でディスカッションしました。
今後、防波堤を作り、高台移住が検討されている薄磯地区を、どのように復興して住みよい街にしていくのか、学生たちに考えてもらいました。
・病院や学校などのインフラを整える
・スポーツイベントを開く
・災害を忘れないようなモニュメントや展示施設を作る
といったアイデアが出されました。
今回は13人と多くの学生が参加してくれました。
大人数でしたが、まとまったボランティア活動となりました。
最後に、参加者に日程終了時に書いて頂いている報告書の中から抜粋したものをご紹介します。
※掲載した文章は全文でないため、ご本人の意図と若干異なる場合がございます。ご了承ください。
■活動前の気持ち
被害を受けてない自分たちが、被災者の方々とどのように接すればいいかと言う不安があった。
メディアでしか被害を見ていなかったため、被災地のイメージが沸かなかった。
自分に何ができるのか分からず、何も役に立てなかったら怖いなと思った。
■活動後の気持ち
福島の方々は皆明るく元気で安心した。
話を聞くこともボランティアだと言われた。
自分も「聞く」というボランティアが出来たと自信を持ちたい。
そして、もっと人や社会を知りたいと思った。
メディアでは伝わってこないことが見え、少しは状況が分かった気がする。
実際で見るのと、メディアで見るのとでは、全く違うと感じた。
現地の方から「ありがとう」と声をかけられ、少しでも力になれたと感じ、参加して良かったと思った。
富岡町はインパクトが強かった。
ニュースでは流れない情報と言うのが、確かにそこにあった。
自分の情報の知らなさが情けなかったのと、一時期の過熱的な報道でしか被災地を映していなかったのかと考えさせられた。
■今後のボランティアに必要なことは
体験者として情報を発信し、とにかく伝える事で参加を勧める。
若い人の力を有効に活用し、SNSなどでより多くの情報を発信していく事が必要だと思う。
もっと多くの人に足を運んでもらうために、行った人が他の人に伝えていくのが大切だと思った。
■感想
学生への心優しい配慮、誠にありがとうございます。
是非また参加したい。という気持しかないです。
一つ一つにやりがいがあり、新たな自分を知る事が出来てよかった。ありがとうございました。
知らない他の大学生と初めてボランティアへ行ったので、とても緊張していましたが、
仲間や現地の方、多くの方と関わりを持ち、様々な意見が聞けて良かったです。
食事やお金の面で負担して頂いた分、精一杯頑張りました。
本当に感謝しています。
沢山の方のフォローあってのながぐつ第96陣でした。
とっても素敵な体験ができた事に感謝します。
ありがとうございました。
■報告書からの抜粋
ボランティアに関する認識が大きく変わった。
メディアで報道されていた、瓦礫の撤去などのイメージが強く、自分にできる事は無いのではないかと思っていた。
しかし、現地の人と関わったり、メンバーと話し合いをする中で、今回学んだことを周りに「伝える」ことも、ボランティアの大きな役割なのだと実感した。
冨岡町を視察した時、地震が起きて、津波に襲われて、そのままの町に衝撃を受けました。
ひっくり返った車、田んぼに乗り上げた船、2階のみが道路にある家、14:46で止まった時計…。
自然の力の大きさと悲惨さを知りました。
奥へと進むと、一般人の立ち入りが禁じられている地区がありました。
同じ日本国内に、このような場所があることが信じられませんでした。
原発というものがどれ程恐ろしいものだったのかに、気づかされました。
当時高校生だった私は、ただ家のテレビでニュースを見ているだけでした。
いつかは赴いてみたいという気持ちはありましたが、中々踏み出せない自分が居ました。
思い切って今回参加し、普通の大学生活では味わえないような体験をすることが出来ました。
私は正直、今回のボランティアに気軽に参加した立場であり、被災地に対しての関心はあまり高くなかった。
しかし、今回の体験で、自分の中での考えが大きく変わった。
特に、富岡町の視察はとても衝撃的であった。
やはり、テレビで見る光景と、実際に見る光景とでは、全く違うのだという印象をうけた。
これからも自分が発信源となり、今回の体験を語るという氏名を果たしたい。
皆さん、お疲れ様でした。
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