グローバル・リーダーシップ・プログラム Global Leadership Program

ビジネスは悪か?

食の多様性とそれに関わる人をエンパワーする

私のグループはインドネシアのオーガニックの伝統的な食品の加工・販売するJAVARAという社会的企業をインタビューした。
そこで共同創設者プロット氏はJAVARAのビジネスを以上のように定義した。
利益が最優先ではないビジネスである。
JAVARAはそれによって「食の多様性とそれに関わる人を守る」というのを目標としている。
企業というよりNGOの定義や目標のようだ。
JAVARAはこの目標を掲げ、そしてビジネスを通して実行している。
そして、現在では50000以上の小さな農家と共に、600以上の商品を販売している。

このインタビューに参加する以前、私はソーシャルビジネスに興味をあまり持っていなかった。
それはビジネス全体に不信感があったからだ。
ビジネスは利益をなるべく増やすことが最優先の目的である。
ゆえになるべく安く仕入れ、なるべく多くの利益を出そうとしている。
その結果、弱者が搾取され、さらなる貧困が生み出され、また人々の欲望を無限に広げようとする。
トリクルダウンは起きず、富むものはより豊かに、貧しいものはより貧しくなっていき、格差が広がる。
ビジネスが貧困や環境破壊など社会に存在する問題を作り出しており、解決するというのは自己矛盾だ、と考えていた。
そして、ソーシャルビジネスも、ビジネスであるがゆえに、同様の問題を少なからず抱えていると思っていた。
もしかしたら問題を解決するための収入を増やす助けになるかもしれないが、それ以上の効果は期待できないと考えていた。

しかし、JAVARA関係者、特に上記のプロット氏と次に紹介するドゥイ氏、へのインタビューを通して、私のその意見はビジネスを悪意のある目で見過ぎていたと気付かされた。
JAVARAはで利益ではなく社会問題の解決を目標としていたがゆえに、オーガニックや利益配分などにかなり気がはらわれている。
また、収入増以上にプライドや自立を農家が持つというものを重視していた。

「オーガニックをもっと広めたい。
高く売れるだけでなく、オーガニックは体にも環境にもいいから」とドゥイさんというボゴール(ジャワ島南部)の山奥でオーガニックで様々な植物を育て、JAVARAへ卸している方は誇らしげにオーガニックについて語っていた。
ドゥイ氏へのインタビューを通して、JAVARAのビジネスは収入を増やすのはもちろん、オーガニック製法により環境と健康を守り、農家の人に自立と仕事に対するプライドをもたらしていることに気がついた。

このインタビューを通して、ビジネスの利点欠点の両方について私は考え直した。
まず、もちろんビジネスには問題点があるが、それは工夫次第で解決できないことはないと考えるようになった。
また、ビジネスが社会問題を作り出していると言うようより、社会のあり方や人々の生活にも原因があり、ビジネスは一要因の一つである。
ゆえに社会問題はビジネスの本質ではなく、ビジネスから社会問題にアプローチすることは可能であると考えるようになった。
ビジネスの問題やそれが生み出す社会問題は、必ずしも抑えられないものではなく、ビジネスモデル次第である。
また、ソーシャルビジネスによって社会問題を解決しようとした場合、単に収入を増やすという点以上の効果を生み出せる。
食の多様性や仕事に対する自信という目に見えず、またお金で買う事の出来ないものまで生むことができると考えるようになった。

これらの経験を通して、ビジネスの社会の問題を解決をツールとして捉えられるようになった。
そして、ビジネスは悪というところで思考停止するのではなく、ビジネスのディメリットをどのように最小限に抑えるかという建設的な思考を出来るようになった。
私は、私は春からコンサルタントとして働き始めるが、そこでただスキルを身につけるだけではなく、様々な形のビジネスを学びたい。
将来それらの経験を社会問題を解決するために使いたいとこのプログラムを通して考えるようになった。

(ディンセ華純 国際基督教大学教養学部 4年)