第10回「PR力」コンテスト V-1 PR CONTEST V-1

第10回「PR力」コンテスト V-1 テーマ:自身や人のボランティア体験、社会課題に対して取り組んだこと/学んだこと、社会に発信したいこと

学生が取り組む社会課題や活動の意義を発信する力を身に着けて、活動への理解者・共感者を増やし、活動の活性化・発展につなげていって欲しい、という想いから実施しています。
今回は、自身が参加したボランティア活動についての文章に加え、身近な人(家族、友人、先輩・後輩など)の活動についてインタビューをし、活動や経験したこと、気付いたことについての文章を募集します。応募作品を、事務局、審査委員会にて審査し、グランプリと入賞作品を表彰します。

結果発表

グランプリ

聖心女子大学 現代教養学部 2年
後藤 ななみ(ごとう ななみ)さん
作品タイトル
『被災地を視て日本を考える』

副賞

ビッグイシュー日本版
2021年4月1日号に全文掲載

被災地を視て日本を考える

聖心女子大学 現代教養学部 2年後藤 ななみ(ごとう ななみ)

私は大学1年生の頃から、東日本大震災の被災地である福島県南相馬市に複数回訪れて現地の幼稚園やお祭りの企画や運営のお手伝い、炊き出しなど、その時々の需要に合わせたボランティア活動をしている。また、震災が起きた当時は『心の復興』という言葉が流行したが、私は地元の方々の『心に寄り添う』活動をしたいと思い、震災や原子力発電所事故の当時の様子とその後の人々の生活について勉強をすることにも注力してきた。繰り返し同じ幼稚園の子どもたちや地元の方々にお会いすることでお互いに信頼関係が生まれていき、気軽に頼ってもらえるようになり、勉強会ではわからなかった個人個人の深い話も少しずつ伺えるようになった。特に、ボランティアの人がたくさん来るからか幼稚園の子どもたちは「ボランティア慣れ」しているので人見知りをする子は少ないが、私が訪れるにつれて名前を憶えて呼んでくれたり、他所の人に向けた態度ではなく素の態度で接してくれたりするようになったことが嬉しかった。ソフト面でのボランティア活動においてはお互いに信頼関係を築いていくことが重要であり、「継続は力なり」というように、同じ場所で継続してボランティア活動をすることで本当の意味で相手の『心に寄り添い』役に立つような力を持った活動ができるのではないかと感じた。
このように被災地の地域コミュニティのことについて勉強していくうちに、被災地の様々な問題が見えてきた。高齢者を残して家族が他県へ避難してしまうこと(過疎化)や、高齢化に伴う被災者の仮設住宅での孤独死、また、原子力発電所事故の補助金が地域によって異なることや帰宅困難区域の線引きが影響を及ぼして地域の分断が起こっていること、そして、被災地の復興と称しての商業的な土地利用で、元来人々が暮らしていた土地に発電機が設置されることなどが挙げられる。それと同時に、高齢化、過疎化、地域分断(地域内のトラブル)、まちづくりと土地利用に関する問題は、被災地だけでなく日本の多くの地域が孕んでいる社会問題であり、私たちが向き合っていかなければならない社会の課題であると考えた。
被災地は災害によって様々な社会問題が顕著になったが、日本のどの地域も先に述べたような社会問題とは向き合っていく必要があるはずだ。そして、これらの問題を社会の課題として認識し解決するためには膨大な時間と労力が必要なので、継続して対策をしなければならない。私は現在、地元の商店街を応援する部活動に所属して、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言中にもできるまちづくりの活動を行っている。たった一度でも被災地に赴きボランティア活動を行うだけで社会貢献になり得るが、これからボランティア活動をする方には被災地を視ることで日本の社会問題と向き合い、それぞれの生活している地域、延いては日本社会の課題に挑んで欲しいと切に願う。

審査員コメント

池田氏
思いだけでなく、被災地の課題をしっかりと抑えていた。
泉本氏
〈良い点〉ボランティア活動中に筆者が出合った「発見」が丁寧に描かれています。震災から月日が経ち、筆者とボランティア先の成長と変化がよく分かります。第2段落の復興課題は、私も読んでいて勉強になりました。
〈改善点〉ただ第2段落は主に「ハード面の復興課題」であり、これらは学生ボランティアの領分ではないと考えます。それでも「ハード面の復興がいまだに行き届かない地域ではどのような『心に寄り添う』活動が求められ、学生の私たちに何ができるのか」を、筆者が培った経験を交えて書いてほしかったと思います。
藤原氏
被災地での活動を通じて変遷していく(自身の)考えが率直に表現されており、どのように関心を広げ、現在の活動へと繋がっていったのかが流れるように伝わってくる印象的な作品でした。「被災地」というテーマから、さらに社会の課題を深堀りされている点が興味深かったです。

活動の様子

優秀賞

聖学院大学 心理福祉学部 3年
玉之内 菖(たまのうち あやめ)さん
作品タイトル
『私と3.11』

私と3.11

聖学院大学 心理福祉学部 3年玉之内 菖(たまのうち あやめ)

2011年3月11日14時46分。前代未聞の大きさの災害が東北地方を襲った。当時、私は小学5年生(11歳)であった。多くのボランティアが動いていた姿をテレビ等で見て知っていた。しかし、関東に住んでいるひとりの小学生であった私に何が出来る訳でもなく、「いつかボランティアをしたい」という想いで時だけが過ぎた。
東日本大震災の発生から7年後、私は大学生になった。入学した大学はボランティア活動が非常に盛んに行われていたことがきっかけで、岩手県釜石市を活動拠点としている復興支援ボランティア団体に所属し活動を始めた。初めて釜石を訪れた日、2011年3月11日に釜石で何が起こっていたかということを知った。同じ日本に住んでいるのに何が起きたか知らなかったし、知ろうともしなかったという自分に衝撃を受けて、復興支援活動に真剣に関わり向き合い始めた。
大学3年間の復興支援活動を通じて私が発信したいことは「災害を他人事として捉えない」ということである。大学1年生の時、少しでも多くの人に発信したいと思い「未来をひらく」というイベントに実行委員として参加した。このイベントのコンセプトは『悲劇』だけではなく、『学び、未来をひらく』出来事としての3.11である。震災で多くの犠牲がでた旧大川小学校で娘さんを亡くされた佐藤俊郎さんの「大川小の校歌の題は『未来をひらく』です。ここは悲しいことが起きた場所ですが、何かのきっかけに『未来をひらく』場所になればいいと思います」というお話に由来している。
私は、このイベントを通じて震災のことについて深く考えるようになった。今回2021年の『未来をひらく』は東日本大震災から10年目の節目であるということ、私自身が復興支援ボランティアに3年間関わってきたことから、より多くの人に「災害を他人事として捉えない」ということを伝えるチャンスであると感じて、再びこのイベントの開催を決定した。
災害を「自分事」として捉えない限り、災害について日常的に意識し、対応を考えることは少ないと私は考えている。また、いつ自分が被災者になるかも分からない。2011年3月11日から悲しく辛い想いを抱きながら日々、生きている人がいる。同じ悲しみや悲劇を繰り返さない為にも、災害を「自分事」として捉えて、今、自分の身の回りで出来ることを考える時間を作ることに力を入れていきたい。

審査員コメント

池田氏
「未来をひらく」というフレーズに込められた思いは想像できた。現地で何を感じたのか、より具体性がほしい。
泉本氏
〈良い点〉災害を他人事として捉えないというメッセージを強調し、将来起こりうる災害時に被害者を少しでも減らしたいとの思いが筆者から伝わりました。大川小の被害など具体例を挙げ、主張に説得力があります。文章が短くまとめられて読みやすいです。
〈改善点〉活動内容を具体的に描いてほしかったです。復興支援といっても多岐にわたります。活動が分からないと、筆者の本人像が見えません。
藤原氏
「東日本大震災から10年」という節目と、(自身の)10年間の心境・行動の変化を掛け合わせて述べられている点がユニークで、内容がスッと入ってくる作品だと思います。短文でありながらも、発信したいことがクリアで、イベント準備の様子や思いが伝わってきました。「自分事」として捉える人を増やすことは、どの社会課題にとっても大切なことですね。文字数にまだ余裕があったこともあり、釜石での活動の様子や「実際に何が起こったのか」という部分についても触れて頂けるとさらに良かったと思います。また別の機会にでも、拝読してみたいです。

活動の様子

セミナーのご案内

応募する前に、文章力の上がるセミナーに参加してみては如何でしょうか。
『ボランティア体験を振り返り発信するための 文章力向上講座』

日時
2020年12月26日(土) 14:00~16:00
場所
オンラインにて(お申し込みになった方々にお伝えします)
定員
50名
講師
大泉大介氏(河北新報社)
応募方法
専用のエントリーフォーム
詳細・お申し込みはこちら

審査委員

池田 真隆いけだ・まさたか
オルタナS編集長、1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。大学3年から「オルタナS」に特派員・インターンとして参画する。その後、副編集長に就任し現在に至る。環境省による社会起業家支援事業「TJラボ」の立ち上げに関わる。社会福祉HERO’S TOKYO2019最終審査委員(全国社会福祉経営者協議会主催)など
泉本 亮太いずもと・りょうた
26歳。大阪府出身。明治大学文学部卒業。2017年に北海道新聞社に記者職で入社。札幌本社スポーツ担当を経て、18年7月からオホーツク海に面した紋別市の支局に配属。5市町村で行政、警察、地域経済など、取材分野は多岐にわたる。
学生時代は、Gakuvoのインターン生として雑誌の製作や映像大会の企画に携わる。1~4年生までの毎年2回、東日本大震災の被害にあった福島県南相馬市で学習支援のボランティアに参加した。
藤原 愛ふじわら・あい
NPO法人NICE海外短期派遣事業部長。元大手教育出版社、編集者。複数の情報誌・WEBにて毎月連載や特集を担当。WEBサイトでは社会課題の取材企画を主に担当、執筆。

募集作品

テーマ
自身や人のボランティア体験、社会課題に対して取り組んだこと/学んだこと、社会に発信したいこと
応募コース
<Aコース>
自分の活動を伝える
<Bコース>
○○さんの活動を伝える(身近な誰かにインタビューをして、その人の活動を伝える)
応募資格
大学生、大学院生、短期大学生、高等専門学校学生
応募規定
  • 日本語、Wordで作成してください。手書きは不可です。
  • 1,200字以内。タイトル、小見出しは文字数に含みません。
  • 応募作品は自作、未発表のものに限ります。盗作が判明した場合は失格となります。
  • 応募作品の著作権は主催者に帰属します。
  • 個人の応募に限ります。1人1作品までの応募となります。
応募方法
専用のエントリーフォーム

審査基準

活動内容ではなく、文章のみで評価します。
応募者へのフィードバックも予定しています。

表彰

グランプリ

1作品

<副賞>
ビッグイシュー2021年4月1日号(https://www.bigissue.jp/)に全文掲載

入賞

各部門から1作品ずつ

<副賞>
Gakuvoウェブサイトに掲載。1作品につき審査委員の講評を掲載

コンテストの流れ

2020年12月26日(土)
セミナー実施
2021年2月19日(金)
応募締め切り
2021年2月24日(水)
事務局にて1次審査
2021年3月6日(土)
2次審査(審査委員会)
2021年3月12日(金)
Gakuvoウェブサイトにて結果発表